公益財団法人 日本少年野球連盟 東日本ブロック

News--------------東日本ブロック

2022.6.2

創刊150周年スポーツ報知アーカイブ コラム「海岸通り」

2013年6月21日付 スポーツ報知コラム・海岸通り

「ルールを守ってこその競技」

少子化が進んでいるというのに、全国で中学生の硬式野球チームが増え続けている。関東のボーイズリーグも現在145チーム。ちょうど10年前に比べ、倍になった。高校野球を視野に入れる野球少年たちの間で「中学から硬式」という意識が定着しつつある。

公式戦の数も増え、毎週のように大会が組まれている。技術、精神面ともに高校生にくらべて未熟な選手が、硬球で夢中になって勝負をする。当然のことだが安全には、十分な注意が必要だ。

ところが、試合中の安全対策は徹底されていないのが実情だ。例えばボーイズでは、グラウンド内にブルペンがある球場の場合、投球練習の際に打席に背中を向ける捕手を守るため、控え選手のサポートを義務づけているが、実施されていないことが多い。座らなくてはならないネクストバッターズサークルで、プレーがかかっても素振りに熱中する選手も目にする。

ボーイズでは2004年の夏、試合中に平凡なゴロを胸に当ててさばいた遊撃手が、直後に心臓しんとうで亡くなる事故が起きた。設立されてから44年の歴史の中で死亡事故はこの1件だが、忘れてはならない出来事だ。

連盟では昨年、試合運営マニュアルを一新。その中で「選手のマナー向上、安全管理の徹底」を呼び掛けているが、読んでいないチーム代表もいるという。「規則のための規則」では、子どもたちを守れない。

【追記】9年前のコラムです。今は各チームにAEDの携帯を義務付けるなど対策は進んでいますが、球場内ブルペンでの対策は「何のためにいるのか」が分かっていない選手がサポートで立っているケースをよく目にしており、まだまだ不十分だと思います。(報知新聞社・芝野栄一)