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2022.5.3
軟式ボールが語る野球界の未来
高崎市営球場で面白い展示を見つけた。6世代の軟式ボールが展示されていて、懐かしい友人に再会したような気持ちになった。
昭和40年代のこと。およそ田舎町に住む少年たちは皆、ツルツルにすり減った軟式ボールで野球に興じていたものだ。
後にリトルリーグという存在を知るのだが、東京の小学生はプロ野球選手と同じボールで野球をしていると聞いてとても信じられなかった。
一般的に軟式野球は硬式に比べ点が入りづらいと言われている。
1983年天皇賜杯全日本選手権大会の決勝。ライト工業と田中病院は延長45回8時間19分の死闘となった。2対1でライト工業に軍配があがるのだが、田中病院の池内投手は一人で522球を投げ切った。
この試合か契機となり、軟式ボールはマイナーチェンジする。ディンプル楕円にすることで打球速度と飛距離をアップさせようとしたのだ。
高崎球場に展示されている第5世代のボールだ。その後も軟式ボールは、飛距離と打球速度を求めて進化を繰り返している。
かたや硬式野球、高校野球では低反発バットの導入が決定している。高校野球の国際試合では木製バットがスタンダードだ。
飛ばすために進化しつづけてきた軟式ボール。彼らの歴史は日本野球界の未来に何を語っているのだろうか。
(スポチューバーTV編集長 蒲生太郎)