公益財団法人 日本少年野球連盟 東日本ブロック

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2022.7.1

創刊150周年スポーツ報知アーカイブ コラム「海岸通り」(5)=おわり=

2014年3月16日付 スポーツ報知・海岸通り

「小さな子へ野球の魅力を伝えたい」

小学生の野球人口が減り続けている。硬式野球のボーイズリーグ小学生の部(3年生以上)の登録人数は、25年前の約6000人から今や半減。リトルリーグ、軟式の学童チームも部員減に歯止めがかからないという。

少子化、サッカー人気の拡大など理由を挙げればきりがないが、個人的には子どもたちが野球の魅力を知る機会が少なくなったことが一番だと感じている。地上波ではゴールデンタイムからプロ野球中継が消え、自宅周辺の公園もほとんどが「キャッチボール禁止」。だが、それは今の時代では仕方のないこと。これからの少年野球チームは、プロや高校野球の人気だけに頼らず、その楽しさを地域の子どもに伝えていく努力が、いっそう必要だと思う。

遅ればせながらボーイズリーグの東日本ブロックは、今年から幼稚園児に向けた普及活動を実施する。具体的な内容は検討中だが、幼稚園を訪問しての野球教室、幼児向けボールの贈呈などが立案されている。松井茂久ブロック長(62)は「ボーイズリーグへの勧誘でなく、小さな子に野球への関心をもってもらう活動です。ノウハウもないが、できる範囲で地道にやっていきたい」と前向きだ。

低学年児童、幼稚園児へのアプローチは、日本の野球がサッカーに遅れをとっている部分の一つだろう。ボーイズリーグの初めての試みに注目したい。

 

【追記】8年前のコラムですが、残念ながら現在も少年野球チームに入る小学生は減り続けています。松井茂久ブロック長は2017年に65歳の若さで亡くなりましたが、東日本ブロックが始めたティーボールを活用した低学年児童、未就学児への野球普及活動は連盟本部をも動かし、全国5ブロック(東日本、中日本、関西、中四国、九州)でこれからのボーイズリーグを考える「未来へ活性化プロジェクト」が発足するなど広がりを見せています。今年4月にはボーイズリーグとジャイアンツアカデミーがタイアップした「はじめてのティーボール体験会」が東日本のボーイズ発祥の地・荒川区で行われました。荒川区教育委員会の後援もあり好評だったため、定期的な開催も検討されています。(報知新聞社・芝野栄一)