公益財団法人 日本少年野球連盟 東日本ブロック

News--------------東日本ブロック

2022.12.29

創刊150周年スポーツ報知アーカイブ 「ボーイズリーグ むかし いま そしてこれから…」(6)=終わり=

2022年2月16日付  「変える勇気と意識」
 1970年に大阪、兵庫、愛知の小中28チームでスタートしたボーイズリーグは半世紀にわたって発展を遂げ、今では北海道から沖縄まで小中700を超えるチームが所属。多くの甲子園球児、プロ選手を輩出してきた。それなのにこの10年間、小中とも部員の減少傾向が続き、変化を望む声も出てきている。ボーイズリーグの歴史を振り返りながら、未来を関係者とともに考える。最終回は「変える意識と勇気」。
 ボーイズリーグには毎月発行される機関紙がある。今年の1月号。一面を飾った寄稿で惣田敏和会長(71)は「昨年、ボーイズリーグ出身選手は34人(NPBの)ドラフト指名を受け、侍ジャパンが金メダルを獲得した東京五輪でも活躍した」と誇示した。その一方で「(近年は)選手個々の健康と将来を考える指導が強く求められ、時代と共に変化している」として「変える意識と勇気を持とう」をスローガンに改革の必要性を訴えた。
 すでに多くの連盟関係者は動き出している。群馬の中学生チーム・前橋中央ボーイズは選手の成長度に合わせて練習内容を変えるため、2009年にセカンドチーム・前橋ボーイズを設立。早熟傾向の選手が前橋、そうでない選手は前橋中央に籍を置く。統括するNPO法人・前橋中央硬式野球倶楽部の春原太一代表理事(47)は「ボーイズリーグが大会で投球数制限を導入したり、リーグ戦を検討していることは歓迎しますが、入り口に過ぎないと感じます。成長期では、同じ学年でも4月生まれと3月生まれで心身の成長に大きな差が出るのは周知のこと。今後は子どもの成長度を意識した大会形式やルール作りも必要なのではないか」と提案した。
 千葉の京葉ボーイズを2019年の春夏連覇など3度の中学日本一に導いた関口勝己監督(56)は、裾野を広げようと今年1月「年代や性別を問わず『うまくやれた』という成功体験を通してスポーツの楽しさを伝えたい」と全学年の男女を対象にした小学生アスリートクラブを設立した。「遊びながら運動神経を良くする機会と場所を提供します。野球だけでなくテニス、サッカー、時にはビーチバレーをすることも考えている。そこには室内練習場やグラウンド、整形医との提携など京葉ボーイズが持つ育成環境やノウハウをつぎ込みます」と関口氏。すでに10人ほど集まり、今月から募集を本格化させているという。
 読売巨人軍野球振興部長の肩書を持つ高崎中央ボーイズ・倉俣徹監督(60)は、データ管理の重要性を強調する。「成長期の子どもは身長、体重、50メートル走のタイムなど体力データと試合の成績を継続的に記録して“見える化”するとやる気を出します。ところが(中学硬式の)ボーイズやリトルシニアでも記録を残していないケースが多い。膨大で時間がかかる作業になりますが、予算を付けて人を使ってでも取り組む価値はある」と提言した。また、倉俣氏は「今後、野球がスポーツ庁などの公的機関や子どもを預ける保護者からの信頼を得続けるためには、指導者ライセンス制度が必要」とも指摘した。
 大切な成長期の小中学生を預かるボーイズリーグ。予算や人的な問題などさまざまな制限があるものの、慣例にとらわれない選手ファーストの目線で「無理」でなく「どうしたらできるか」を考える“意識と勇気”が望まれているのではないだろうか。(報知新聞東京本社ボーイズリーグ担当・芝野栄一)